2010-05-24

イタリア人のいない"カルチョ"

昼過ぎに起きました。計画通り(キリッ
起きて昼飯食ってダラダラしてたらこんな時間ですよ。

今朝は欧州CL決勝でした。土日にやるって珍しいですね。


【前置き】
今シーズンの決勝カードはシーズン開始前にはほとんどの人間が予想していなかったであろうバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)とインテル・ミラノ(イタリア)。

というのもここ数シーズンの欧州のフットボール界をリードし支配したのはスペインのバルセロナとイングランドのBIG 4で、彼らがファイナルの舞台にいないというのは6年振りの出来事だったからだ。
特にイングランド勢は昨シーズンまで3大会連続でベスト4に3チームが勝ち残るほどの独占ぶり。(ただその間に優勝できたのはマンチェスター・ユナイテッドだけ)

その大勢が今シーズンは崩れた。
大本命バルセロナは準決勝でインテルに足元をすくわれ、イングランド勢もベスト8で早々と全滅。
そんな波乱の中で勝ち上がってきたのが前述の2チームだった。

バイエルンはかつてのような守備に人数を割いて前線のテクニシャンとストライカーで点をとりにいくスタイルからここ数年で大きくチームカラーが変わった。
それは中盤にゲームメイカーやジョーカーを置かずに両サイドから攻撃を組み立てるスタイルで、ここに世界屈指のドリブラーであるロッベンとリベリーを擁している。監督がファン・ハール(オランダ人)ということもあり、かなりワイドでオープンな攻め合い・打ち合いに強いチーム。

一方でインテルは戦術的に洗練された大人のチームスタイル。
もともとイタリアのクラブなので戦術重視の守備的サッカー("カテナチオ")をするチームだったが、モウリーニョを監督に迎えたことでよりorganizeされた。
特に一番変わったのは運動量の部分で、以前のような後半になって相手に走り負けて失点を続けるという試合をしなくなった。
決勝トーナメント一回戦のチェルシー戦、準決勝のバルセロナ戦がその典型。



【試合レビュー】
試合開始直後にお互いジャブを交換した後は徐々にバイエルンがペースを握る。
中盤のボールの奪い合いからサイドに展開。右サイドのロッベンが積極的にドリブル突破を試みてマーカーのキブーを振り切り何度かチャンスを作っていた。
こうして何度かミドルシュートでインテルのゴールマウスを脅かす展開があった後にゲームが動く。

インテルのGKが蹴ったロングボールをセンターFWのミリートが頭で落とし、受けたスナイデルがためを作って走り込んだミリートにリターンパス→ミリートがフェイクを入れつつ落ち着いてゴールに蹴り込みインテルが先制。

その後もインテルがカウンターで決定機を作るが追加点は奪えずハーフタイム。

選手交代もなくメンバーそのままで後半へ。
開始直後にこの試合のターニングポイントとなったシーンが訪れる。
中盤でバイエルンのファン・ボメルがボールを持ち出して中央に入っていたハミト・アルティントップがマーカーを引き付け、フリーで走り込んできたミュラーに完璧なお膳立て。ミュラーが滑りこみながらのシュートを放つもGKのほぼ正面でセーブ。
これが決まっていれば追いついたバイエルンの方が気持ちの面でも試合展開の面でも優位になっていたはず。悔やまれるシーンだったと思う。

その後モウリーニョが選手交代でさすがというべき修正を加える。
1点ビハインドのバイエルンが左サイドのアルティントップに替えてFWのクローゼを投入すると、ロッベンに対して分が悪かった左サイドバックのキブーを下げて中盤のスタンコビッチを投入し、中盤に入っていたベテランのサネッティを左サイドバックへチェンジ。
直後に再びカウンターからミリートがDFヴァンブイテンを切り返し一発であっさりと振り切って追加点を奪う。

2-0となったことでいよいよ攻めるしかなくなったバイエルンはロッベンにボールを集めて前線に手数をかけるが、ここでインテルの中盤・最終ラインがイタリアらしい人数をかけた緻密な守備を披露。
ロッベンに対してはサネッティとカバーに入った中盤の選手で挟み込んでライン際に押し込み仕事をさせない。
かつてのミランじゃないけどイタリアのチームってこういうドリブラーを封じることにかけては一日の長がある。

結局バイエルンはFWゴメスを投入するもチャンスすら作れずにタイムアップ。
インテルが45年振りにヨーロッパを制して終わり。ちゃんちゃん♪



【試合後雑感とか】
試合前からバイエルンが勝つとしたら打ち合いに持ち込むしかないと思ってた。
開始直後にアクシデント的な得点(失点)で試合が動きハイペースでオープンな試合展開になるか、自らこじ開けてノーガードの殴り合いをするか、のどちらか。

まるで将棋の差し合いのような試合をさせたら"カルチョ"にはなかなか勝てない。
またカルチョをさらに一次元上に昇華させたかのごときモウリーニョの手腕は見事。

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インテル、バイエルンを下し45年ぶりの欧州王者に=CL (スポーツナビ)



さていよいよワールドカップですね。
なんとか盛り上がって欲しいものですが・・・。

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