2008-10-18

激動の一年

ようやく週末です。こんばんわ。

今回も真面目な企画。どう見てもエヴ(ry


今回の金融市場の大混乱の流れを振り返ってみる。

・ 金融危機、襲来
まず事の発端は昨年(2007年)の夏頃から顕在化したサブプライムローン問題。
今ではお馴染みとなったNY発の世界同時株安が起き始めたのもこのあたりから。
ただし、この段階ではFRBの緊急利下げなどにより株価は反転し、特に欧米の先進国から逃げた資金はBRICsをはじめとした新興国株式や原油・金などのコモディティーに流れた。

・ 汚染証券、大洋のむこうに
2007年も年末にさしかかる11月になると徐々に市場にも暗雲が立ち込める。
欧米金融機関のサブプライムローンをはじめとした証券化商品絡みの損失が表面化。
特にアメリカのシティ、欧州のUBSといったところが巨額損失を計上。
震源地アメリカだけでなく世界中の金融機関にも"汚染された"証券化商品が拡がっていたことが明らかになり、再び世界中の株価が下落を始める。
また、アメリカだけでなく欧州(イギリスやスペイン)の住宅市場も危機的状況に。

・ 瞬間、救済、重ねて
年が明けて2008年になると本格的に危機が表面化する。
米住宅ローン大手のカントリーワイドがバンク・オブ・アメリカ(以下、バンカメ)に買収されるなど、金融機関による救済合併が相次ぐようになる。
またイギリスの中堅銀行ノーザン・ロックが国有化。

・ ベアー・スターンズ
そして3月中旬、米証券大手(5番手)のベアー・スターンズが深刻な危機に陥りFRBの救済を受けて米銀大手のJPモルガンに買収される事態に。
その後で事態は沈静化するも市場では証券→商品(特に原油)への資金の流れが加速し、原油価格は上昇を続けて記録的な高値へ。

・ 公社の価値は
初夏になる頃には景気減速、商品高騰によるインフレ懸念から再び市場は低迷。
さらに株価下落の止まらない米住宅公社(ファニー・メイ、フレディー・マック)の債券を世界中の金融機関や中央銀行(日本の日銀など)が保有していることが話題に。
米政府も黙っているわけにはいかず、支援策を発表。最終的には国有化されることに。

・ 死に至るリーマン、そして
そして激動の9月へ。
10日には米証券大手のリーマン・ブラザーズが予定を前倒しで決算発表、そして南朝鮮の政府系金融機関との増資に向けた交渉が不調に終わると株価は急降下。
週末には英銀行大手のバークレイズなどとも交渉するが、政府の支援なしに引き受けることはできないと判断され、これも破談。
FRBにも見捨てられたリーマンはついに15日に破綻。
一方でリーマンの次の標的と目されていた米証券大手のメリルリンチはバンカメに電撃買収されることが決まり、数日の間に米証券会社のトップ3とトップ4が消滅するという展開に。
さらに週明けには米保険大手のAIGがリーマンのCDSを大量に保有していたことから格下げされ、一気に経営危機という段階にまで陥る。米政府は結局AIGを国有化することで決着。
一連のショックにより市場は恐怖に満ち、すべての市場でパニック売りの嵐。

・ 政治の選択を
クレジット市場の大混乱、株式市場の暴落により米政府は緊急で700億ドルに及ぶ不良資産の買取機構の設立を軸とした金融安定化法案の成立に乗り出す。
9月末にはS&L(貯蓄信用組合)のワシントン・ミューチュアルが事実上の破綻でJPモルガンに引き取られ、さらに米銀行大手のワコビアも買収に向けた交渉を開始。
そして29日、金融安定化法案が米下院で予想外の否決。

・ 米国のかたち、欧州のかたち
10月に入ると市場は完全にクラッシュして機能不全に。
危機が欧州に波及し、先日の記事で書いた通りの展開に。
アイスランドという国が事実上の破綻。世界中の市場で取引停止が相次ぐ混乱。
新興国通貨は垂直落下に見舞われ、資金が急速に引き揚げた。
G7をはじめ各国では政府による金融機関の国有化・公的資金注入が相次いで決まり、協調利下げなどの対策も打ち出された。それでも市場は落ち着く気配を見せない。

to be continued...

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